当院の歴史は一千二百年以上遡り、聖武天皇・神亀元年(七二四年)の開山と古文書に記されている。その時妙覚院は、大分県宇佐神宮より勧請された千栗八幡宮の神宮寺として、「千栗山弥勒寺妙覚院八幡宮」と称し、本尊に弥勒菩薩を祭った典型的な神仏習合の形態を取っていた。その後月日の流れの中、藩政時には藩主鍋島家の祈願所となって寺領三百二十七石を賜り「国中天台一宗頭人」として隆盛を極めた。現在の伽藍は昭和四十四年の火災で寺院の全てを焼失した後に、当山檀徒各家、特にはフランスベッド株式会社前会長の故池田実氏の協力と、教区内寺院や関係者各位のお力添えによって建立されたものである。