古来西目のお釈迦様として庄内一円更に近県からの参拝者が少なくない。西目釈迦仏略縁起によれば、その昔、由良海岸香頭ヶ浜に漂着したとあり、それで大海出現西目大佛と呼ばれ、その当時お釈迦様をお守りしている間に、中風であった行者が、すっかり健康な体になったという。このことから今日もなお中風にご利益ありとして参詣者が多いこの釈迦如来座像は、本県唯一、最大の半丈六仏(丈六仏とは一丈六尺の仏像をいい、その半分の坐像をいう)で造像に関する記録がないため、伝来等は不明であるが、総体的技法からして、室町期の作と推定される。今後の詳しい調査に期待される貴重な仏像である。当山の参道は作家横光利一氏の代表作夜の靴の題名着想ゆかりの、太い杉の参道である。