おかぶと不動尊は永禄4年(1561)に上杉謙信が関東に遠征し北条氏の居城である小田原城(神奈川県小田原市)を攻めた際、下野国佐野出身の土豪である山城大膳亮が大きな戦功をあげ、謙信の兜の前立仏だった不動明王を賜ったものと伝えられています。大膳亮の嫡子南之坊は上杉景勝が慶長6年(1601)に米沢城に移封後に山上町に移り住み不動明王を本尊とした祈祷師になったと言われています。当地は米沢城の城下と福島城の城下(福島県福島市)を結ぶ板谷街道(米沢街道)沿いにあった事から、米沢城の防衛ラインとして下級武士である原方衆が配され、龍覚院はその信仰の一翼を担うと共に、境内は緊急時の本陣として利用されように計画されたと思われます。本尊は秘仏として祀られている為に普段は見る事が出来ず33年毎に御開帳となっています。現在の龍覚院本堂は江戸時代中期寛保3年(1743)に建立された入母屋、銅板葺、平入、桁行3間、正面1間向拝付、外壁は真壁造り素木板張りの古建築物です。宗派:天台宗。本尊:不動明王。